9月24日:更新「「上手い」と「凄い」及び、スピナーが各々持つ、ベクトルについて」


『Pen Spinning Memorandum』備忘録の公開最終日です。
本日の備忘録はこちらです。

rookさん:『「上手い」と「凄い」及び、スピナーが各々持つ、ベクトルについて』

以下追記より





まずはじめに、僕は文章を書くことも考えていることを伝えることもすごく苦手で、 以下に書く文章も拙い点が多く見られるかもしれません。
ですが、できる限り自分の思っていることをアウトプットできるように頑張りますの で、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。


1-1 はじめに 「上手い」と「凄い」

ペン回し界一般で用いられる「上手い」や「凄い」という言葉。
この用語に対する解釈に様々な方が挑んできましたが、「言葉にしなくとも、そのよ うな感性を獲得してきた」あるいは、「自分がまさにそのような存在である」と意識して いるかどうかにかかわらず、体現している方も多くいると思います。
その用語がどのように今使われているか、また、僕はどのように用いているか、につ いてまず書いていこうと思います。

1-2-0 完成度というもの

端的に言えば、「上手い」=「(FS の)完成度が高い」という考え方が今の JEB では"主 流"だと考えます。これは完成度を大切にしてペン回しをしている人を単純化して批判し ているわけではなく、
①「完成度」の特性
②ペン回し界のいわゆる"カースト制"

という 2 つの理由によるものだと考えます。
では、なぜこの考えが主流であるか、僕なりの考えを述べます。

1-2-1 完成度の特性

完成度は限りなく、「その技/コンボをどれだけ練習するか」というモノに依存します。
ヒタ練という言葉が示す通り、どんなコンボであれど、練習すれば 1-2-0 で述べた意 味で「上手く」なります。

一つ例を挙げてみます。想像してください。
スピナーではないのに、やたらとハーモニックだけが「上手い」友達っていますよね。 授業中にまるで呼吸のようにスルスル回しているような人。
さて、このやたらとハーモニックだけ上手い友達 A と、歴が浅く、完成度は低いが、 クーロンコンボとクーロンコンボキャンセルばかりする歴 1 年のスピナーR がいたとしま す。
この 2 人を見るオーディエンスは、

ア)周りにいた学生たち
イ)一流のスピナーたち

だとして、どうなるでしょうか。
おそらく ア)の場合、学生たちはスピナーR に「"凄い"!」と声を荒げるのではないで しょうか。
しかし、 イ)の場合、もちろん好みにもよりますが、友人 A 君を評価するかもしれま せん。
(だいたい実話です。)
この違いはどこにあるか。
ズバリ、「観客がそのペン回しの良さを理解できるか」です。

多くの人がブログに書いてきたように、ペン回しは現在「玄人が玄人同士で楽しむ」 という傾向が非常に強い趣味です。他のジャグリングでも「玄人向けの技」などがあると 思いますが、特にペン回しはこの傾向が強いでしょう。

何を言いたいかというと、この傾向を踏まえるとペン回しの"完成度"がペン回しの 「上手さ」を示すのに実感を持って良さを理解できる"ベクトル"だということです。(違 和感がある表し方だとは思いますが、後ほど説明します。)
このベクトルの大きさは、前述した通り、練習時間とともに獲得できるモノです。
スピナーにはそれぞれ"好み"がありますが、時間をかけるにつれ完成度について大な り小なり理解します。
そのうち、完成度というものを基底とし、他のスピナーを見ることになります。
玄人同士で評価し合うスピナーは、互いに評価する際に完成度への理解を当然のもの とします。
ここから、完成度至上主義が今 JEB にあるのだと考えます。
好みやスタイルという不定要素ではなく、"上手い"と考えられるスピナーが皆持って いるであろう一つの共通項として実感を持てるのです。
このような特性を、他の「奇抜さ」「難易度」などの要素とは違い、「完成度」は持 っています。

(補:ダブルクオーテーションの使い方は割と適当ですごめんなさい)

1-2-2 ペン回しのカースト制と評価

ペン回し界は、「"上手い"奴が発言力ある」という世界です。僕の考えによれば、"完 成度"という共通理解項目を"上手い"人は持っていますので、多くの"上手い"スピナーは" 完成度"の重要性を説くでしょう。
単純ですが、この「一定の"完成度"が上級へのパスポート」という考えの広がりによ り、「"完成度"=上手い」という考えに拍車をかけています。

またツイッターの流行により、上流のスピナーの意見が格段に聞きやすくなりました。
これにより、完成度のベクトルを成長させることで手軽に評価を得られるようになり ました。
当たり前ですが、ペン回しは「まあ素人に見せて評価されればいいかー。」とはなか なかならない趣味です。評価はスピナーのモチベーションに直結するので、良い評価も悪 い評価も個人から個人に届きやすくなってしまった今、いわゆるコリアン系スピナーが中 堅以下で多く溢れていることは当然と言えると思います。

話が脇道に逸れましたが、ペン回しのカースト制はこのような考えを当たり前にさせ ている、と言えると考えます。

1-3-0 上手いと凄いについて

さて、長々と述べましたが、先に挙げた理由により「上手い=完成度」が主流である理 由を考えてみましたが、僕はこの考えを持っていません。では上手いとは何かについて、 そして凄いというワードが示すものについて考えます。

(補:鉤括弧の使い方も適当になってきましたが許してください)

1-3-1 「上手い=完成度」の本当の姿と「凄い」というワード

「上手い=完成度」、というのはある面では正しいですが、視点が少し偏重していると 考えます。僕の考える「上手い」もみなさんの考える「上手い」も全てが説明できるのでは、と考える「上手い」の僕なりの定義と、それと対照的な存在である「凄い」というワ ードについて述べます。

上手い=自分が理解できるペン回しで、自分を超える、あるいは自分のある基準を超え ていること

凄い=自分が理解できていないペン回しで、自分のペン回し観では捉えられないが、感 性的なものにより評価できる

です。

先ほどの例を思い出して欲しいのです。
歴 1 年スピナーR とその友達 A のペン回しバトル。
スピナーR に対しては、「凄い」と言うのが一般人でしょう。
逆に一定の完成度に対する理解があるスピナーは A くんのハーモニックを「上手い」 と評価すると思います。
インフィニティ系統の FS に対して、インフィニストは細々な技やペンの向き、速度な ど、様々な「自分のペン回し観」を持って、そこから評価することができます。すなわち、 「上手い」ということを、自分の考えるペン回し観という軸に沿わせて、評価できる、と いうことです。
逆に、インフィニストではない普通のスピナーがインフィ二ティ系統の FS を評価しよ うとすると、先述したように限りなく共通項である「完成度」であったり、切り返しの場 所や〆への収束などを「自分の考えるペン回し観」にできるだけ沿わせて、評価するかも しれません。もしくはその FS が感性的に良いもので、「凄い」という言葉でまとめるこ ともできます。これが「凄い」というワードが示すものです。

この考えによって、「下手」という言葉は非常に限定的に使われるべきです。 感性的な良さを感じなければ一言「わからない」で良いのです。評価できるだけ、自 分のペン回し/ペン回し観が追いついていないという風に解釈できるからです。
また、このような意味ではオールラウンダースピナーは様々な FS を理解し、評価でき ると考えられます。

閑話休題、本題に戻ります。
この考えから、スピナーが 1-2 で挙げた理由により完成度を重要視し、完成度を評価 軸として評価するため、「上手い=完成度」論が席巻しているのだといいかえることがで きます。
また、この論を使えば、僕が奇抜系スピナーを「上手い」と評価できることも説明が できます。


2 僕が考える評価指標、ベクトルの存在

CV 編集者として、僕はある評価指標を持っています。

それは「どれだけ努力を感じられるか」です。

今までつらつらと「上手い」とは何かについて述べてきましたが、僕はこの言葉が苦 手です。CV 編集者として FS に対して一定の評価をしなければならないことは多くありま すが、僕の「上手い」は多数派ではありません。僕の評価はそれこそ偏っています。
では感性的なもので(「凄い」という観点で)しか、評価できないのでしょうか。
私は一スピナーとして、編集者として、様々な方々の動画を見てきました。B さんはこ んな回しで、C さんはこんなスタイルで、と僕の脳にはちょっとしたデータベースがあり ます。このデータベースとの比較や、楽曲の雰囲気などを考えて評価することが僕の動画 審査では特に多いな、と感じます。
手抜き動画でも受かるのはそれだけの努力を過去にしてきたからではないか、という ことです。(CVを作る側からしたら少し悲しさはありますが)
CV を作る上での僕は、このような考えの基に皆さんの動画を見ています。

また、このデータベースをつくる上での一つの僕の指標として、「ベクトルの大きさ」
というのがあります。
各々スタイルが異なる中でも、その動画を生成するに至るまでに磨いてきた人それぞれの矢印です。
ある人は完成度という(評価)軸に沿ってグンと伸びていて、ある人は奇抜さと難易度 の中間を突きすすんでいて、ある人は完成度と難易度を両立させているかもしれません。
様々な評価軸に分解されるベクトルですが、僕はこのデータベースをつくる上において、一定の評価軸を僕が持つのではなく、できるだけ広い視野を持ち、各々のベクトルの 向きではなく、大きさを捉えようとしています。
僕のつくる CV が個性様々だと評されるのも、このベクトルの考え方、データベースに よるものだと思っています。

参考画像

参考画像(rook)


長くなりましたが、以上となります。 お読み下さいまして、ありがとうございました。




以上,rookさんの備忘録で『「上手い」と「凄い」及び、スピナーが各々持つ、ベクトルについて』でした。
ご投稿頂いたrookさん,ありがとうございました。

本日をもちまして備忘録の公開を完了とさせて頂きます。ご投稿いただいた皆様,最後までご覧くださった皆様。本当に有難うございました。

なお,イベント全体を通しての振り返りと「MVM(Most Valuable Memorandum)」の発表を,明日9月25日の21時に本ブログにて行う予定です。






ありがとうございました!


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